遺言書・相続・建設業許可|木更津市|行政書士

遺言書を作成するときの注意点

遺産相続争いを防ぐために遺言書を作成しても、その遺言書に不備があっては、かえって相続人間の争いになることがあります。そうならないためにも以下のことに注意する必要があります。

1.遺言執行者を指定する

遺言書には、遺言執行者を指定するのが得策です。遺言執行者の職務は、相続財産の管理や預貯金の払い戻しなど、遺言の執行に必要な一切の行為です。つまり、遺言執行者は相続人の代理人とみなされます。(民法1015条)そのため、相続手続きがスムーズに実行されます。

2.遺留分を考慮する

遺留分を侵害する遺言の作成は可能ですが、その場合は理由を付記するなど、相続人に対する配慮と慎重さが必要です。当事務所では遺留分についてご説明させていただきますが、遺留分を侵害した遺言書を作成するかどうかにつきましてはご依頼人の考え方を尊重させていただいております。

3.相続人間の状況を考慮して相続財産を指定する

相続財産である自宅に一緒に住んでいる人には、そのままその自宅に住めるように相続させるなど、その人の生活が困らないように配慮する必要があります。それぞれの相続人の生活環境を考慮した相続財産の指定が大切です。
相続財産を指定するということは平等にとはいきませんが、相続人にとって公平で納得がいくような遺産配分が重要です。

4.相続割合ではなく、相続財産を明記する

現金・預貯金はともかく不動産に関しては、何割を相続させるといった書き方をすると、分割するのに協議が必要となり、もめる原因になります。
誰に何を相続させるかを遺言ではっきり指定しておくことが大切です。

5.付言を活用する

遺言者が、遺言をするに至った動機や心境を書き記すこと(「付言」ふげんといいます。)は、法律的な拘束はありません。
しかし、関係する人の納得を得るのに大きな意味があります。遺言の趣旨を明確にし、血の通った思いやりのある遺言を心がけることで円満な相続につながります。ただし、簡潔に記載するべきでしょう。

6.「遺贈」とせずに「相続」とする

「遺言者はその所有する財産を次のとおり相続させる」と書くとよいでしょう。

相続人に対しては財産を「相続させる」、第三者に対しては財産を「遺贈する」と表現します。

相続人に対して財産を「遺贈する」と表現すると、不動産の移転登記手続きにおいて、他の相続人と共同で申請しなければいけません。つまり、他の相続人全員の協力が必要になります。しかし、「相続させる」と表現すると、遺言で指定された相続人が単独で申請できます。

また、「遺贈する」と表現すると、農地の取得の場合は知事などの許可、遺産が借地権・借家権の場合は貸主(地主・家主)の承諾が必要ですが、「相続させる」と表現すると、どちらとも不要になります。

(注)農地の取得に関し、農水省はH24年12月14日、相続人への特定遺贈について農地法3条の許可を不要とする省令改正を官報に掲載し、同日に施行しました。これによって「遺贈する」と表現しても農地法の許可は必要なくなりました。

7.遺言書に記載のない財産への対応

万が一遺言者作成後に、遺言書に書かれていない財産が見つかった場合は「本遺言に記載のないその他の一切の財産を〇〇に相続させる」といった一文を入れておくと、その後見つかった財産について、新たに遺産分割協議をする必要がありません。

8.予備的遺言による備え

財産を相続または遺贈する相手が、遺言者より先か同時に死亡する場合に備えて、その次に財産を相続または遺贈する人を決めておくことを「予備的遺言」といいます。

たとえば「遺言者の全財産を長男に相続させる。遺言者と同時もしくは遺言者より先に長男が死亡した場合には遺言者の孫(長男の息子)に相続させる。」というように、できるかぎり先のことを考慮することで、より一層の安心が得られます。

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